「造成宅地防災区域」について

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カテゴリー: 不動産 | 資金計画

こんにちは。営業サポートWです(^_^)

最近、朝晩が涼しくなってきましたね…皆様お変わりなくお過ごしでしょうか??。

今回は「造成宅地防災区域」についてご紹介します☆

➀宅地造成とは

まず、よく耳にする“宅地造成”とは、宅地以外の土地(森林や農地等)を住宅地にするために土地の形質を変更する事。

工場跡地を住宅地にするなど、すでに宅地である土地の形質変更も宅地造成に含みます。

土地の形質の変更といってもイメージがわきにくいですよね。

具体的には・・・

・傾斜をなくすための切り土・盛り土等の工事

擁壁の設置工事

・排水施設の設置工事

・地盤の改良工事

などを指します。

これらを行うことによって、土地を宅地としての機能を備えたものにすることができます。

 

②宅地造成等規制法と宅地造成工事規制区域

宅地造成等規制法とは

1962年(昭和37年)に宅地造成に伴う災害を防止する法律です。

つまり宅地造成の工事に伴い、がけ崩れや土砂の流出が生じないように工事に規制を行うことを定めています。

 

宅地造成工事規制区域とは

宅地造成等規制法に基づき、都道府県知事等は宅地造成に伴ってがけ崩れ等がとくに懸念されるところを“宅地造成工事規制区域”として指定することができます。

●区域内で許可をとる必要がある宅地造成工事とは??

区域内だからといってすべての造成工事に規制がかかるわけではありません。

大きく盛土や切土をすると、その分がけ崩れや土砂災害等が起きやすいのはイメージができますよね!

区域内かつ、一定基準以上の規模の造成工事を行う際に規制がされます。

 

【一定基準以上の規模】

・切土であれば高さ2m超のがけを生ずる工事

・盛土であれば高さ1m超のがけを生ずる工事 

・盛土と切土を合わせて高さ2m超のがけを生ずる工事

・切土、盛土による高低差に関係なく、宅地造成面積が500㎡を超える宅地造成工事

※上記「崖」とは…地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地の事で、硬岩盤(風化の著しい物を除く)以外のものをさします

●区域内で一定基準以上の規模の宅地造成工事を行う際には

地盤改良や擁壁工事等の計画を示して、政令で定める技術基準に適合しているかどうかや災害防止のための必要な措置がなされているかチェックがされます。

それらの確認が取れれば【工事の許可】が下ります。

さらに工事完了後もきちんと検査を受け、【検査済証】を交付してもらう必要があります。

 

 

 

造成宅地防災区域

宅地造成工事規制区域外であっても、がけ崩れや土砂の流出による災害の恐れが大きい宅地造成地には、

都道府県知事等が市町村長の意見を聴いて指定することができます。

 

土地の所有者や管理者に対して、擁壁の設置等を勧告・命令することができます。

これは平成16年の新潟県中越地震などで盛土による造成地において地盤災害がおおく発生したことから平成18年に制定されました。

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不動産購入時には注意しましょう!

宅地造成が済んで新規販売をしているような土地であれば、これらの許可や検査を通過した土地であるので一安心ではあります。

きちんと“検査済証”があるかどうかの確認をしましょう!

 

中古物件を購入する際も、注意が必要です。

建物の裏等に擁壁がきちんと施工されていたとしても、法施工前であれば許可や検査を受けていないこともしばしば。

“検査済証”の確認がやはり大事になってきます。

 

宅地造成工事規制区域内で土地を買い、一定基準以上の規模の造成工事が必要な場合は、費用も時間もぐっと大きくなります。

その分土地の金額が安くなっていることも多いので、見かけの金額に惑わされず、事前調査をしっかりしましょう☝